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祖母山麓の校景

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竹田市の祖母山麓に位置し、体験交流/宿泊施設として活用されていた旧小学校「あ祖母学舎」の改修設計者として、プロポーザルにより選定された。和教室2室、校長室、玄関ホールを対象に、地域の記憶を残す校舎の魅力を継承しながら、祖母山麓を訪れる人々の滞在拠点としての質を高めることが求められた。

教室の大きな空間や高い天井、長い廊下、素朴な素材感など、校舎には現代の宿泊施設にはない伸びやかさと記憶が残されている。それらを失わせることなく、各所に家具のような機能を持った大きな造作を据えることで、空間の使い方の更新を試みた。ベッド、収納、ロフト、ベンチ、掲示板、間仕切りなど複数の機能を担いながら、空間を緩やかに組み替える、家具と建築のあいだにあるスケールの造作体である。

和教室には、一人ひとりの居場所を緩やかに区切る、大きな二段ベッドのような造作を設け、グループ滞在や滞在者どうしの交流にも応えられる空間へと更新した。一部残した畳に座卓を置けば、語らい、作業をする、くつろぐといった過ごし方も受け止める。

校長室はファミリーによる長期滞在も視野に改修した。壁際にあった既存キャビネットを室中央へ移し、新たな造作を付け加えることで、パーティションのように機能し、食事や談話のための滞在空間と就寝スペースを緩やかに分節している。

玄関ホールには、ベンチのような小上がりを新設し、和教室にあった廃棄予定の生徒用ロッカーを移設して、子どもの本を収める棚として再利用した。そこは、子どもが腰掛けたり寝転んだりしながら本を読める場となる。さらに既存の下足入を活用し、この場所を拠点に祖母山をはじめとした周辺の自然や名所へ出かけるための情報掲示板として更新した。

これらの造作は単なる機能ではなく、人の行為や関係性をつなぐ新たな空間でもある。寝る、集う、語る、待つ、知るといった多様な時間を、それぞれの場所に応じたかたちで支えることで、既存校舎の価値を継承しながら、ここに新たな風景を重ねていく。

 

Program :

Accommodation and Community Hub

Location :

Taketa, Oita

Total floor area :

207.48㎡ (enovated area only)

Completed :

Feb. 2026

Structural Consultant :

Hirokazu Osaka

Graphic Design :

Chizuko Kudo (cotton)

Constructor :

Kudo Shoten

Photo :

Kentaro Ito

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